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cixhamin

文書のライセンス

支援員の役割

障害者施設には必ず専門の障害者の支援員がいます。彼らは障害者に対して必要な支援(精神的なものや実務的なもの)を行うのが仕事です。最近では事業所の開所時間外でも悩みがあったり苦しいことがあれば電話相談にある程度は対応できる事業所も増えています。

相談のコツ

実は支援員に自分の悩みや苦しみを相談するにはコツがあります。はじめの内は感情的に悩みや苦しみをそのままぶつけることが多いかもしれません。例えば

「あいつは◯◯と言った!ムカつく!早く死ねばいいのに!」

みたいな感じになることも多いでしょう。でもそのまんまでは一切成長はありません。成長できる悩みや苦しみの伝え方があります。一例を出しましょう。

「自分は◯◯のことで△△と言われた。本当に悲しいしこんなこと言われたら私はとても困る。そういうことを言う理由はおそらく□□のように考えていることが原因かと思うのですがどうでしょうか?」

この例には感情をそのままぶつける段階から、いろんな創意工夫をしています。

  • 私を主語にして、自分の感情を言語化する。言語化するだけでもかなり冷静になれる。
  • 的確でもなくいい、冷静に十分なれなくてもいいから自分なりに理由を考え、原因を分析する。

ということです。要点は「言語化」「論理的思考」です。それらを注意して相談するだけでも

  • 自分である程度冷静さを取り戻すことができる。(ストレス耐性が上がる)
  • よい対応が支援者から得られる可能性が高まる。(望む支援が受けられる)
  • すなわち、何かしらの学びを得ることができる。

んです。成長できるのは言うまでもありませんね。

「理解し寄り添ってもらう」からできるだけ早く卒業する

これ重要なことですが、障害者の支援員は必ずしも「臨床心理士」「公認心理師」といった専門家でないことも多いです。「臨床心理士」「公認心理師」は相手の話を聞き、理解し、寄り添うということをしますが、単なる障害者の支援者は必ずしもそれが主要業務でない、あるいは必ずしも得意ではないこともあります。もちろんB型やA型、移行支援、定着支援の初期段階では「理解し、寄り添ってもらう」支援は否定しません。しかし定着支援の後期段階になってきたら、「理解し、寄り添ってもらう」支援からできるだけ早く卒業する必要があります。定着支援は3年という期限があります。その期限を過ぎれば「理解し、寄り添ってもらう」支援をもはや受けることはできなくなります。支援がなくなったことで、情緒的に精神的に不安定になり、業務に支障をきたしはじめて、定着支援満了と同時にやむなく退職という事態をできる限り防ぐことが目的です。

後期段階では支援者は「利用する」

「利用する」という言い方は一見非人道的にも映るかもしれません。しかし、私たち障害者は障害者施設の「利用者」です。つまり自分の戦略のために障害者施設のコンテンツや人的リソースを「利用する」権利があります。つまりここでも必ず主導権は障害者自身が持つことが大切です。ではどのように支援者を利用するのか。まず「理解し、寄り添ってもらう」という役割から「公正な判断を仰ぐ」に支援者の役割を変更します。何かしらのトラブルや衝突(主に障害者と企業の間など)が起きた時、それらについて「気持ちを理解してもらい、寄り添ってもらう」ではなく、「状況に対する公正な判断」をお願いするということです。理由は支援者はトラブルや衝突の当事者ではないから、障害者、企業などの利害に加担しない冷静な判断が期待できるからです。「理解し、寄り添う」ことは冷静になることに加え、臨床心理士や公認心理師の技術が必要ですが、「公正な判断」は冷静になることだけでできるから支援者にとってもハードルが低いのです。障害者でも支援者の能力と適性と限界を知り、彼らの能力や適性を活かせるように支援者を活用すること=人を使う技術(マネージメント)が必要ですね。

まとめ

  • 相談は感情的にぶつけるところから、「言語化」「論理的思考」で伝えることができるようにパラダイム・シフトする。
  • 就労定着支援の後期段階では、支援者は「理解と寄り添い」ではなく「公正な判断」として活用です。
  • 障害者でも支援者の適性・能力を理解し、適材適所で活用するマネージメントスキルが必要。