著者
cixhamin
文書のライセンス

就労移行支援では何が行われているのか?
一般就労を目指す障害者が一番最初に通う障害者施設が就労移行支援事業所です。ご存知のとおり、就労移行支援事業所では、座学によるビジネスや生活に必要なスキル(身だしなみ、挨拶、電話対応、お茶出し、コミュニケーションなど)の勉強。実際に企業に出向いて職場体験をする職場実習。実際に就職活動をするために必要な履歴書の書き方や面接の練習などを行うところです。
大前提:就労移行支援事業所は出会いの場ではない
「障害者福祉の原則」に書いているとおり、就労移行支援事業所に限らず、障害者施設は自立支援の場です。つまり出会いの場やなれ合いの場ではないことは肝に命じておく必要があります。大事なことは就労移行支援事業所に通う以上、「就職する」「そのために必要な訓練と勉強をする」という目的・目標を絶対に忘れないことです。「就職」「就労継続」という目的・目標を忘れた人はほぼ確実に就職すらできずに脱落するか、就職しても短期間で脱落するでしょう。
プログラムは一回受けたらいい
就労移行支援では座学のプログラムを何度も開講されます。プログラムを受講するに当たって考えるべきことは
- プログラムを受ける回数は少なくとも座学系は1回でよい。むしろ何度も同じ座学系のプログラムを受けない。
- そのかわり、一回のプログラム受講で、内容はすべて理解する。「次はない」つもりで真剣に取り組む。
- プログラムでわからない点やあいまいな点はできるだけ早く、職員に質問して解決する。
- 逆に実践型のプログラム(運動やSSTなど)は可能な限り、無理をしない範囲で何度も参加する。目的は同じ型を繰り返すことで体得率を上げるため。
です。どうしてこうするのか?それはプログラム、特に座学系はどうしても受動的な勉強になります。その中でもできるだけ能動的な姿勢で取り組むことによって、知識の定着率を上げるためです。これ、学校の勉強と同じです。学校の勉強でもそれなりの成績を出す人は上記のプロセスを踏んでいます。
できるだけ、個別訓練の時間を作る
プログラムは1回だけ受ければ十分です。プログラムをある程度受けたら当然空いた時間ができます。その時間は個別訓練に使います。その個別訓練は事業所から指定がない限りは自分でやる内容を決めてください。少なくとも自分のスキルを高める勉強であれば、何でもいいかと思います。資格試験の勉強だったり、私なら数学とかやります。読書とかでもいいでしょう。これはプログラムの「受動的な勉強」ではありません。個別訓練は徹底した能動的な勉強です。つまり「障害者が持つべき基本スタンス」で書かれていることを理解・納得できているという大前提があります。この前提なくして個別訓練をしても「何もしなかった」時間にしかなりません。むしろ個別訓練で「何もしなかった」時間ができてしまうなら、就労移行支援の利用段階にまだ到達していないと考えるべきで、他の方法(A型あるいはB型あるいは生活自立訓練への移行)を検討する必要があります。
プログラムをある程度受け終わったらすぐ実習に行く
プログラムをある程度受け終わったら、できるだけ早く実習に行くことです。とにかく職場体験を多く積んでください。なんのために実習に行くのか?それは「働く上で自分は何が問題になるのか」を体感して把握することです。これは「合理的配慮点」を知る上でとても大切なことです。実際に働き始めてから合理的配慮点の把握が不十分だったために、退職せざるを得ない状況も発生します。できる限り「働く上の自身の問題点」は洗い出せるだけ洗い出します。それだけ合理的配慮も多く書けるようになります。
合理的配慮についての注意
就労移行支援に通っている障害者は「企業に就職しても合理的配慮をしてもらえるか」をとても心配しますね。これ注意が必要です。合理的配慮は、名前に「合理的」という名称がついているとおり、「「できないこと」が客観的に見て障害起因であることが明らか」な場合に限り、障害者が要望する配慮を企業側から受けることができるということです。言い換えれば「できないこと」が「客観的に障害起因」であることが明確に示されない場合は、配慮の対象には決してならないことを注意しなければなりません。基本的に合理的配慮以外で障害者が他の健常者と特別な扱いを受けることは絶対にありません。それは肝に命じておいてください。
まとめ
- 就労移行支援は出会いの場でも馴れ合いの場でもない、就職のために必要な訓練を行う場である。
- 就労移行支援の利用は「自学自習」ができることが大前提。「自学自習」ができてはじめて効果的な利用が可能になる。
- 合理的配慮点を明らかにするために実習にできるだけ多く行く。
- 合理的配慮は特別扱いとは違う。就職した企業で障害者の特別扱いは一切認めれない。